See you in a dream

先日、大友良英プロデュース、さがゆき歌唱による中村八大の曲のライブに行ってきた。来場者200人近くとのことで、満員、酸欠、熱気がかなりあったけれど、逆に言えば200人しかあのライブを聞けなかったというのは、とても贅沢で貴重だったんだと思い返す。
何も考えず、ただ行っただけなので、ただ気持ちが良くなって帰ってきた。色々な感想があるのかもしれないけど、とても身近な音楽だったと思う。アレンジもかなり凝っていて、考えられた末なのだろうけれど、それが大げさで見栄っ張りというよりは、元々身構える必要のないような、すごく距離感が近くて、気が楽になる音楽だった。素人な感想で恐縮だけど、とても素敵な音楽だったと思う。とくにおもちゃ箱をひっくりかえして遊んでいるようないくつかの曲が、なんとなく普段せおっている気負いみたいなものを洗い流してくれるようで、まさに素敵というのがぴったりだった。この日はたまたまそういう曲が良かったと感じたけれど、ほかにも同じメンバーで実に色々なことが出来ることに素直に驚き、いかにも金がかかっているという雰囲気は皆無なのに、どれも豪奢なところがあって、軽くなった気分であれこれと楽しませていただいた。
いまもそのCDを聴いていて、まだ正式な発売は先かもしれないけれど、こういう音楽がぜひ売れて欲しいと思う。メジャーな商品と比べれば商品として十全にパッケージされているものではないとは思うけど、色んな感情が詰め込まれていて、それはもうマイナーとかメジャーとかはどうでもいいので、素直に売れて欲しい。アヴァンギャルドかポップスかといった区別は意味がないようなところで成立しているような、説明が困難な作品に思うけれど、値段以上のものだと思う。
あと、僕はまだ20代なんだけど、なぜか最後の方で涙腺が刺激される。これは年を取り始めた証拠なのか、感性なのか、ちょっと困ってしまう。別に泣きたいわけじゃないのに。