2017-01-01から1年間の記事一覧

札幌国際芸術祭おぼえがき10 備忘録(続々々)

備忘録(続々々) 9月8日 金曜日 アイスコーヒーを飲み終えたら、ちょうどいい時間だった。午後2時45分。もう行くことはできない。 ドトールを出て、ススキノ駅まで歩く。この3日で随分とここを通ったなと思う。地下への階段の、少しひしゃげた扉を開けて…

札幌国際芸術祭おぼえがき9 備忘録(承前)

備忘録 9月6日水曜日(承前) 美術作品と体験は非常に難しい問題であると思う。とりわけ美学的な感情や理性を刺激されるのではなく、身体的刺激や衝撃による感覚の想起を引き起こすたぐいの作品は、記述も、また分析もむずかしい。 とりわけその代表はノイ…

札幌国際芸術祭おぼえがき8 備忘録(続々)

備忘録(続き) 9月8日金曜日 ふたたび7時ごろ起床。昨夜はライブのあと、やはり深夜2時ごろまでSNSなどをしていたので眠い。準備をしていると海外からの旅行客らしい人がすでに支度を終えて出かけるところに出くわす。ゲストハウスというと、そうした雑…

札幌国際芸術祭おぼえがき7 備忘録(続)

備忘録(続き) 9月7日木曜日 あれこれと深夜2時すぎまで起きていたはずだが、朝7時に目が覚めてしまう。玄関の外に出て一服。2階の階段側から周囲の建物をながめる。製造会社の社屋などが見えて、出勤される方の姿が。おはようございます、ここは札幌…

札幌国際芸術祭おぼえがき6 備忘録

備忘録 9月6日水曜日 支度をして外出する。8時ごろ。これから12時ごろの便で、成田から新千歳へ。LCCの利用は初めて。そういえば成田までの交通費や新千歳から札幌までの交通費を準備していなかったと思い出す。駅改札で、予定分の額をICカードにチャー…

札幌国際芸術祭おぼえがき5

少し立ち止まろう。ごく雑駁な知識だが、芸術作品では、ある時から作品が絵画を飛びだし始めたらしいことが知られている。主要な契機は1920年代のダダであり、以後ゴミやハリボテや自転車などまでが作品の素材として用いられ始めたという。さらに1960年…

札幌国際芸術祭おぼえがき4

参加や協働を謳うリレーショナル・アートの奥底からむしろナムジュン・パイクを祖の一つとするようなメディアアートの最先端の現場へと引きずり出されたようなSIAFの会場とは、しかしつまり札幌であり、そこを歩くことは同時に札幌の街を歩くことに他ならな…

札幌国際芸術祭おぼえがき3

パイクから始まって(フルクサスを経由する)21世紀への旅。 1札幌国際芸術祭2017でまだ情報出てないヤバいイベントはまだまだありますが、とりあえず9月2日の刀根康尚「AI DEVIATION」は強烈にオススメします。複数の刀根AIによるライブ。60年代からの実験…

札幌国際芸術祭おぼえがき2

気になったので、ナムジュンパイクの経歴を調べてみようとしたら、たちまちに膨大な人名と情報量で停止した。まず同級生の山口昌男、そして師シュトックハウゼン、ケージ、フルクサス、赤瀬川原平、東京ミキサー計画、ワタリウム、テレビアート、ビデオアー…

札幌国際芸術祭おぼえがき

かつて日本に滞在し、赤瀬川原平らとともに1960年代の日本の前衛芸術を展開した一人であるナムジュン・パイクは、1993年、ハンス・ハーケらとともにヴェネツィア・ビエンナーレ・ドイツ館に参加した。そこでハーケが作り出したのは、床一面が叩き壊され、壁…