ジョン・ゾーンマサダ集第2巻がだんだん公になってきた。これも10枚出るんだろうか。
ただ、ぼけっとそのタイトルを眺めていると気づいたのは、「ブック・オブ・エンジェル」と題されていながら、曲目に旧約聖書ユダヤ教)からみて、異教の神の名ばかりが付けられていることだろう。メソポタミアとかの。当然ながらユダヤ教一神教なので、異教の神というのは、旧約聖書的にやられる側にほかならない。神の敵というか、悪魔だな。しかもコンセプト名が「マサダ」で、これは歴史的にかなりハードな殺戮シーンであることは周知。
で、中身もやっぱり単なるユダヤ音楽ではなくて、少なくとも聴けた範囲では3枚目のピアノ&バイオリンデュオでは、明らかに「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の断片がこれ見よがしに挿入されている。誰でも気づくくらい露骨だ。あんぐりした。
これで、もはやユダヤ回帰など安易なことは言っていられないらしいことが分かってくる。いや、ただのパンク兄ちゃんというか、パンクおじさんか?そんな悪魔な名前付けてクレズマとかを演奏をするプロジェクト。キリスト教の悪魔じゃなくて、一歩深い、旧約からコンセプトが来ているのが余計に邪悪でアルカイック。キリスト教でもユダヤ教でも、どこから見ても周辺で、どの中心から攻めても周縁で、だけどウジャウジャいて厭らしい感じ。人脈も増えたり若返ったりしてきて。全体的に血塗れ。
で、帯電すればクトゥルーになる。要するにおぞましい神々のバンドってことか。それがニューヨークで活動してるんだから、21世紀初頭のパンク?

メールマガジンで知った大友良英氏のOTOMO YOSHIHIDE & KESHAVAN MASLAK - Without Kuryokhin (Long Arms 99021; Russia)というCDが欲しいのだけれど、どこを探しても店頭にない。日本のネットでも見つからない。ロシアだからだろうか、というか、こんなところからリリースしているとは・・・アメリカから買うしかないのか。ちょっと面倒だけど、気になる。