財布の中の10円玉を数えてみた。

 さておき。
 この三日連続で書いてみたが、いずれも寝不足であり、文法上の誤りが目立つが、今日にいたっては昨日完徹したまま、いまにいたっている。ので、正確さは欠く文章かもしれないが、それはそれで年の瀬感覚を再現しているような。


 先日は、またジュンク堂中原昌也と虹釜太郎氏のトークイベント。これはかなり衝撃的だった。僕とすこし世代がちがうのだが、信じられないほどアナーキーな二人。会話の意味は理解できるが、なんでそんなことを平然とはなしているのか、全く理解できない会話が連発された(とくに宇宙とか前世とかをめぐる話)。そもそも二人でそれぞれ1枚ずつ選ぶ、という目標が達成されず、それでも平然と終わっていたのも凄いというか、ある意味、ものすごい豊かさを感じた。いったい何の豊かさかと言うと、それはまったく不明ではあるのだが・・・
 また今回で見たのは三回めなのだが、いつのまにかルールが設定されていたことも驚きと言うか、驚くほどではないのだけど、そんなルール(一度流しはじめた曲は最後まで通して聴く、とか)、今回、初めて見た。最初からそんな設定あったっけ?・・・とにかく企画全体に謎が多い。しかもクリスマスなのに会場は満員で、客の一人ながらその状況自体も謎。
 世代論に意味はないと信じてはいるが、それにしても、この二人の会話を聴いたあとでは、いってみれば若い世代はなんと大人しいのかと、あらためて思った。アナーキーならそれでいいのかという問いも同時に浮かんだが・・・まあ、無意味な驚きに満ち満ちていた。そして、無意味な驚きというのが、ひょっとして豊かさかもしれないと思ったりしたが、それが何の豊かさなのかは、結局のところ謎のままではある。


 ちなみに、前にこのトークショーで話題になっていたジュリアン・コープの「ジャップロック・サンプラー」はすでに読了。どんな評価がされているかはわからないが、とにかく面白い(最初が黒船来航から始まり、赤瀬川原平などが取り上げられ、寺山とシーザーとか、「ジャップロック」なのかどうなのか、よくわからないが、それはそれで面白い)。
 なにより面白いのは、とにかく一つのストーリーを無理やりにでも構築しようとする作者の意志。原著は参照していないが、訳文でもじゅうぶんに凝りに凝った文章を味わえる。たしかに、間違っている箇所は多いかもしれないけど、こうして誰かが大きなストーリーをつくることで、参照軸として歴史が立ち上がる(もちろん、批判は批判できっちりするべきである)。そのことの重要性を、よく示している本だと思う。


 時事問題には、すべて触れずにおく。いまほど時事問題についての語りが多いことは、これまでに比べても、そうそうないように思う。たしかに話題は多い。おそらく今年は、様々な意味で、2001年と同じように記憶される年になるのかもしれない。しかし、いつでも同じだけれど、それが何かの終わりなのか、始まりなのか、あるいはまだ途上なのか、それはまだ分かっていないし、それが分からないままに時事について語ることは、かなり難しい。だからやめておこう。ただ、語られるべき事柄が多かったことは、とりあえず今年最後の日なので備忘的に記しておく。