夏バテ中

なかなか唐突にカミュ『ペスト』を再読。どうして手に取ったのか分からないが、あらためて読むとかなり面白い。というより、むしろ今読んだ方が、たとえば10年前に読むよりもかなり面白いような気がする。それというのも、この本はとにかく圧倒的にテーマが存在する。気がつけばすでに猖獗を極めるペスト。それにどう対処するか、対処しうるのか、どうすべきかの判断を迫られながら生死が描かれる。外部からの侵略と、それへの対応。
これはあまりにオーソドックスかもしれない。けれど、なんとなく今こうしたものを改めて読みたい気分がある。ごく普通に、テーマを設定し、それに沿った状況と人物を設定して、適切な方法で書ききる。いいじゃんそれで。

テレビで放映された映画をみる。「トランスフォーマー」とか「ハリポタ」とか。
なんだかわからないけど、最近の映画はどれも長い。
ついでに夏風邪中、深夜の海外ドラマもみる。お気に入りは「ドクター・ハウス」と「ナンバーズ」(もう終わっちゃった)。どちらも、ある種の推理もの。「ハウス」は毎回、患者の病気を特定する過程に費やされるし、「ナンバーズ」は事件を統計的な数学の処理で解決する話。
なので、かなり専門的な話のはずなのだが・・・これが何故か見てしまう。人が頭を付き合わせて、切羽詰まった状況を打開するというプロセスそのものが面白いのか、あるいは案外と馴染み深い解決のきっかけ(不倫について口を閉ざしていたために、不倫相手からの伝染病であることがなかなか判らないとか、そういう身近な要素がストーリーに重要な鍵となる)なのが良いのか。
とにかくどちらも面白い。練りに練った脚本と、映画監督がエグゼクティヴ・プロデュースを務めていたりと、非常に洗練された出来。