日常のつづき

 今日も池袋にいる。現在、3月13日午後7時。


 池袋はほぼ平常に復帰している。人も多い。
 ただ、多くのデパートは節電の理由により、午後6時で営業を終了。大きい本屋も、現時点でまだ終業時間がわかっていない。
 この状態は明日以降もつづくかもしれない。もし何かの買い物や寄り道を、会社帰りにしようとする人がいたら、注意する必要があるかも。



 昨日はここに日記をアップした後、いつも行くチェーンのカフェ・・・というかべローチェを、無駄にいくつか回る。チェーン店が嫌と言う人もいるけれど、僕にとっては、ここが日常だ。
 ぐるりと東口の繁華街に出て、本屋の裏手と、区役所裏側の店舗へ。いつもどおりにアイスコーヒーと、夜食代わりの軽食を摂る。名前は知らないけれど、いつも見かける店員の方をみかける。いつもどおりのむっつりした応対に迎えられる。

 そしていつもどおりに喫煙。



 うえに書いたように、日常復帰のようで、デパートや本屋などから判断すると、まだ必ずしもそうではないようだ。

 とはいえ、池袋はそうした表通りだけではない。客引きのオニイさんと海外の観光客とサラリーマンが並んでソバを食べる立ち食いソバ屋はずっとやっている。
 その奥に行けば、舌がマヒするようなマズい薬膳ギョーザの店から、空間を移動してトーキョーにワープしたのではないかと思うような現地の味のする店まで、得体の知れない中華料理屋もやっている。

 ほかには謎の100円ラーメンを出すアジア屋台店や、インドではなくパキスタン系のカレー料理店もある。そうしたお店は、ごくごく通常営業だ。
 それに文芸座も、シネマロサも、ごく普通にやっている。
 つまり、すこしだけ不細工なかんじの、あまりビジネスをかんじない街の部分は、いつもどおり。



 池袋はそれほど高級な街ではないし、お洒落でも、派手な個性もない田舎っぽい街だけど、逆に言えば、そんなに沢山のお金がなくても、来た人を迎えてくれるところだと思っている。
 そして、その性格は、こんなときでも、全然変わっていない。


 たぶん明日から、日常に戻らないといけないという人も沢山いるだろうし、日常に戻れない人も沢山いるのだろうけれど。
 とりあえず街は、いつもどおりの不安定さと無愛想さで迎えてくれるようだ。片目を腫した客引きのお兄さんに、なぜかウインクしたくなる。